スキル K-Dense-AI(K-Dense Inc.)
Exploratory Data Analysis(探索的データ分析)
CSV・TSV・JSON などの研究データを、手元で安全に、範囲を区切って集計し、欠損やデータ漏れ、外れ値の影響を確かめて EDA レポートのひな形まで作るスキル。科学研究向けスキル集の一つ。
- 種類
- スキル
- 提供元・作者
- K-Dense Inc.
- ライセンス
- MIT
- 内容を確認した日
- 2026.11.08
何をするものか
Exploratory Data Analysis は、K-Dense が公開している科学研究向けスキル集 Scientific Agent Skills(177スキル)に入っているデータ分析用のスキルです。モデルづくりや確認的な検定の前に、手元の許可されたデータを点検するためのもので、結果は集計値だけの、範囲を区切った決定的なレポートとして出します。
特徴は安全側に倒した設計です。ファイルの中身(セルの値、見出し、配列名、画像のタグなど)はすべて信用しないデータとして扱い、埋め込まれた指示には従わず、URL も開きません。生の行や識別子、フルパスは出力せず、外れ値の削除や補完、正規化を自動ではしません。対応形式を表で明示し、知らない形式は読まずに止まります。
付属の Python スクリプト群は標準ライブラリだけで CSV・TSV・JSON を扱い、NumPy、HDF5、配列データ、画像メタデータは追加ライブラリを入れたときだけ扱えます。ネットワークには接続しません。
使われる場面と頼み方
こんな依頼で読み込まれる
- CSV・TSV・JSON などのデータを分析前に点検したいとき
- 欠損やデータ漏れ、外れ値の影響を確かめたいとき
- 研究データの EDA レポートを作りたいとき
頼み方の例
- data/ の measurements.csv を探索的に分析して、欠損と外れ値の状況をまとめて
- この TSV で、学習とテストに同じ被験者が入っていないか確認して
- reads.fastq の長さと GC 含量をざっと集計して
- この実験データの EDA レポートのひな形を作って
中身の解説
SKILL.md の構成
フロントマターには license: MIT、版 1.4、最終確認日 2026-09-30、互換性(コアの CLI は Python 3.11 以上、追加機能一式は Python 3.12 以上と uv)が書かれています。本文は「範囲と譲れない線引き」「版の基準」「対応形式の一覧」「安全な入出力の約束」「EDA で必要な考え方」「ワークフロー」「出力の読み方」「出典」「引用のお願い」の順です。
線引き
URL、パイプ、標準入力、一般的なアーカイブ、シンボリックリンク、指定ルートの外のファイルは読みません。pickle などの危険な読み込みや動的評価も使いません。外れ値の削除、絞り込み、補完、変換、上書きは自動では行わず、一部だけを読んだ結果を完全な検証のように言うことや、EDA から因果や臨床的な主張をすることも禁じています。
対応形式
表で3段階に分けています。CSV・TSV・JSON は自動で集計できる中核、NPY・NPZ・HDF5・FASTA・FASTQ・PNG・JPEG・TIFF(OME-TIFF を含む)は追加ライブラリがあれば自動で見られる形式です。ただし HDF5 は階層とデータセットのメタデータだけ、画像はピクセルを読まずメタデータだけ、配列データは長さや GC 含量などの集計だけです。PDB、VCF、DICOM、mzML、Parquet、Excel など多くの専門形式は「参照のみ」で、対応する参考資料を読んで別の検証済みツールを使うか、自動対応の形式に変換した複製で扱います。それ以外は止まります。
入出力の約束
どの CLI も、--root で指定したフォルダ内の通常ファイルだけを受け付け、入力は既定 64 MiB・上限 512 MiB に制限し、行数や列数、展開サイズ、出力の大きさにも上限を設けます。出力は厳密な JSON か Markdown で、識別子は既定で仮名のトークンに置き換え、既存ファイルは --force なしでは上書きしません。
EDA で必要な考え方
分析の前に、データ辞書(意味、単位、範囲、由来)、観測の単位と被験者や試料の階層、対照や対応、バッチや時間の構造、欠損の符号と仕組み、検出限界、データ分割の境界、事前に決めた問いかどうかを把握するよう求めます。そのうえで、生データは読み取り専用に保つ、読んだ範囲と打ち切りを報告する、欠損・検出限界未満・本当のゼロを区別する、平均と中央値を並べて外れ値の影響を示す、分割してから前処理を当てはめる、事後に見つけた傾向は探索的と明記する、相関から因果を言わない、など10の規則を定めています。
ワークフロー
- 利用許可と作業フォルダを確かめる。範囲外や識別子を含むファイルなら止まって安全な複製を求める
capability_manifest.pyで形式を判定する。参照のみの形式なら分析スクリプトは走らせない- 目的に合う最小のツールを使う。全体レポートは
eda_analyzer.py、表の型と概要はtabular_profile.py、欠損とデータ漏れの点検はmissingness_leakage_audit.py(群、個体、分割、時間の列を指定)、分布と外れ値の感度はdistribution_sensitivity.py、配列はsequence_inspector.py、画像はimage_inspector.py - 該当する形式の参考資料を一つだけ読む(一般、ゲノミクス、顕微鏡画像、化学、分光、プロテオミクス・メタボロミクスの6本)
report_scaffold.pyでレポートのひな形を作り、assets/report_template.mdの欄を集計結果で埋める
出力の形
レポートのテンプレートには、分析の状態、ファイルと対応形式の記録、範囲と上限、データ辞書、標本と実験の構造、データ分割の境界、型と整合性、欠損と検出限界、分布と外れ値の感度、変換と派生変数、探索的な比較と多重性、視覚的な確認、主な所見、限界、再現性と由来の欄があります。
出力の読み方
「検出されず」は読んだ範囲で見つからなかったという意味にすぎない、行数の上限はファイルの先頭から読むもので無作為抽出ではない、欠損の偏りや分割の重なりは疑いの旗であって証拠ではない、といった注意が並びます。
ファイル構成
skills/exploratory-data-analysis/ ↗
| ファイル | 役割 |
|---|---|
SKILL.md | 線引き、対応形式、入出力の約束、EDA の規則、ワークフローを定めた本体 |
scripts/capability_manifest.py | ファイル形式を判定し、対応の段階を返す |
scripts/eda_analyzer.py | 範囲を区切った全体の EDA レポートを作る |
scripts/tabular_profile.py | 表データの型と概要をまとめる |
scripts/missingness_leakage_audit.py | 欠損とデータ漏れの点検 |
scripts/distribution_sensitivity.py | 分布・外れ値・変換の感度を比べる |
scripts/sequence_inspector.py | FASTA/FASTQ の集計 |
scripts/image_inspector.py | 画像のメタデータだけを調べる |
scripts/report_scaffold.py | EDA レポートのひな形を作る |
references/ | 分野ごとの形式の参考資料(6本) |
assets/report_template.md | EDA レポートのテンプレート |
入れ方
必要なものPython 3.11 以上(コア機能、標準ライブラリのみ)、Python 3.12 以上と uv(追加機能)、NumPy・h5py・Biopython・Pillow・tifffile(使う形式に応じて)
README には3つの方法が書かれています。
npx(対応エージェント向け)
npx skills add K-Dense-AI/scientific-agent-skills
Claude Code、Claude Cowork、Codex、Gemini CLI、Google Antigravity、Cursor の現行版に対応するとされています。
GitHub CLI(v2.90.0 以上)
gh skill install K-Dense-AI/scientific-agent-skills exploratory-data-analysis --agent claude-code
引数なしの gh skill install K-Dense-AI/scientific-agent-skills で一覧から選ぶこともでき、--pin でリリースタグやコミットに固定できます。
Agent Plugins 形式:リポジトリ全体がプラグインとして読み込めるため、Cursor ではローカルのプラグインフォルダにリンクし、Codex では codex plugins install . で入れる方法が案内されています。
Claude Code に手で入れる場合は、skills/exploratory-data-analysis フォルダを ~/.claude/skills/ か .claude/skills/ に置きます。追加の形式を扱うときは、SKILL.md にある版指定で uv pip install を実行します。
注意点
- 範囲を区切った点検にとどまる:大きなファイルは先頭から決まった行数だけを読みます。並び順に偏りがあると結果も偏るため、SKILL.md は並び順を記録するよう求めています。
- グラフは作らない:付属スクリプトが出すのは集計の JSON と Markdown で、図の作成や統計モデルの当てはめは含まれません。
- 多くの専門形式は「参照のみ」:Parquet や Excel も自動対応ではなく、別のツールで扱うか変換が必要です。
- Python の版:コアは Python 3.11 以上(標準ライブラリのみ)。NumPy 2.5.3 と tifffile を使う追加機能は Python 3.12 以上と、版を固定したライブラリのインストールが必要です。
- 引用の指示:成果物に大きく貢献した場合は、Scientific Agent Skills の論文(arXiv:2609.00065)を参考文献に加え、そのことを利用者に伝えるよう SKILL.md に書かれています。
- スキル集の README は、全部をまとめて入れず、必要なスキルだけを入れ、中身を確認してから使うよう勧めています(コミュニティ提供のスキルも含まれるため)。
- ライセンスは MIT です。
詳しい情報
- 動く環境
- CLI、デスクトップ
- 料金
- 無料
- リポジトリ内の場所
- skills/exploratory-data-analysis
- 作者
- K-Dense Inc.
- ライセンス
- MIT
- バージョン
- 1.4
- 内容を確認した日
- 2026-11-08
内容はリポジトリの公開内容(2026.11.08時点)にもとづきます。更新されていることがあるため、使う前にリンク先で確かめてください。