スキル Anthropic

docx(Word 文書の作成・編集)

Word 文書(.docx / .dotx)を新しく作る、読む、既存ファイルを XML レベルで編集する、変更履歴やコメントを入れる、といった作業の手順と補助スクリプトをまとめた Anthropic 公式のスキル。

種類
スキル
提供元・作者
Anthropic
ライセンス
Apache License 2.0
内容を確認した日
2026.11.08

何をするものか

Anthropic が公開している公式スキル集(anthropics/skills)のうち、Word 文書を扱うためのスキルです。README によれば、Claude のファイル作成機能の裏側で実際に使われている文書系スキル(docx・pdf・pptx・xlsx)の一つで、複雑なスキルの参考例として公開されています。

SKILL.md は「.docx は XML ファイルを ZIP にまとめたもの」という前提から始まり、作業の種類ごとにやり方を分けています。新規作成は npm の docx パッケージ(docx-js)でスクリプトを書く、既存ファイルの編集は展開して word/document.xml を直接書き換えて再圧縮する、内容の読み取りは pandoc で Markdown に変換する、という三本立てです。

本体の指示は短く、docx-js で起きやすい失敗の一覧、出来上がりを画像にして目で確かめる手順、変更履歴(トラックチェンジ)とコメントの扱いに集中しています。XML の検証や変更履歴の反映、コメントの追加といった手作業では間違えやすい部分は、付属の Python スクリプトに任せる作りです。

使われる場面と頼み方

こんな依頼で読み込まれる

  • Word 文書・.docx・.dotx の作成や編集を頼まれたとき
  • 報告書・メモ・レター・テンプレートなどを Word ファイルで出してほしいとき
  • Word ファイルの内容の抜き出し、画像の差し替え、検索置換をしたいとき
  • 変更履歴やコメントを扱うとき

頼み方の例

  • この議事録メモを、見出しと目次とページ番号付きの Word ファイルにして
  • contract.docx の第5条の金額を直して。変更履歴が残るようにお願い
  • 報告書.docx の「結論」の段落に「根拠データを追記」とコメントを付けて
  • このフォルダの .docx を読んで、内容を Markdown で要約して
  • 変更履歴がたくさん入った draft.docx を、全部反映したきれいな版にして

中身の解説

SKILL.md の構成

冒頭に「作る/編集する/読む」の対応表があり、続いて次の節が並びます。

  • docx-js で作るときの注意点
  • 出力の確認方法
  • 既存文書の編集(変更履歴を含む)
  • コメント
  • 依存関係

新規作成:docx-js の落とし穴

新しい文書は require('docx') を使う JavaScript を書いて作ります。SKILL.md は API の説明はせず(モデルが知っている前提)、ハマりやすい点だけを箇条書きにしています。主なものは次のとおりです。

  • ページサイズの既定は A4。US Letter にしたいときは DXA 単位(1440 = 1インチ)で明示する
  • 横向きは縦向きの寸法を渡して向きだけ指定する(内部で幅と高さが入れ替わる)
  • 表は表全体の列幅と各セルの幅の両方を DXA で指定する。パーセント指定は Google ドキュメントで崩れる
  • セルの塗りは ShadingType.CLEAR を使う(SOLID だと黒くなる)
  • 箇条書きの「•」を文字として入れず、numbering 設定を使う
  • 改行に \n を使わず段落を分ける。改ページは段落の中に置く
  • 目次に載せたい見出しは組み込みの見出しレベルを使う
  • 右寄せのページ番号や点線リーダーはタブ機能で作り、空白や「.」で埋めない

出来上がりの確認

文書を書き出したら、同梱の scripts/office/soffice.py(LibreOffice の呼び出しを包んだもの)で PDF に変換し、pdftoppm でページごとの JPEG にして、その画像を読んで見た目を確認するよう指示しています。soffice.py には、サンドボックスなどで LibreOffice がうまく起動しない環境への対処も入っています。

既存文書の編集

古い .doc はまず .docx に変換します。そのうえで次の流れです。

  1. unzip で展開し、外部から来たファイルを考えてシンボリックリンクを削除する
  2. scripts/merge_runs.py で、書式が同じなのに細切れになっている文字列(run)をつなげ、検索しやすくする
  3. word/document.xml を直接書き換える(整形し直さない)
  4. zip で固め直す
  5. scripts/office/validate.py で XSD スキーマに照らして検証する。よくある不具合は --auto-repair で直せる

Word は見た目では一続きの文章でも XML 上は細かく分割していることが多く、そのままでは文字列置換が当たらない、という事情が説明されています。

変更履歴(赤入れ)

修正を変更履歴として残すときは <w:ins> / <w:del> で囲み、ID・作成者・日時を付けます。削除部分の文字は <w:delText> に入れること、段落そのものを消すときの書き方、要素の並び順がスキーマで決まっていることなどが書かれています。validate.py に --original と --author を付けると、履歴を付けずに変えてしまった箇所を報告してくれます。

すべての履歴を反映した版は scripts/accept_changes.py(LibreOffice を使用)で作れます。ただし、削除された段落が空の段落として残る場合があること、pandoc 側にも同様の癖があることが注意として書かれています。

コメント

Word のコメントは互いに参照し合う6つのファイルで成り立つため、scripts/comment.py で追加します。展開済みフォルダにも .docx にも使え、返信(--parent)も付けられます。スクリプトはコメント本体と関連ファイルを書き込んだうえで、本文のどこに付けるかを示すマーカーの断片を表示し、それを document.xml に入れて初めて表示されます。

付属ファイル

  • scripts/ … merge_runs.py、comment.py、accept_changes.py と、コメント用 XML のひな形(templates/)
  • scripts/office/ … soffice.py、validate.py、検証ロジック(validators/)、Office Open XML の XSD スキーマ一式(schemas/)。pptx 用の検証・補助モジュールも同じフォルダに入っています

出力の形

新規作成では .docx ファイル、編集では書き換えた .docx(必要に応じて変更履歴・コメント付き)、読み取りでは Markdown のテキストになります。

ファイル構成

skills/docx/ ↗

ファイル役割
SKILL.md作成・編集・読み取りの手順と注意点の本体
scripts/merge_runs.py細切れの run をまとめて文字列を探しやすくする
scripts/comment.pyコメントと関連ファイル一式を追加する
scripts/accept_changes.pyLibreOffice で変更履歴をすべて反映する
scripts/office/validate.pyXSD スキーマと変更履歴の検証、自動修復
scripts/office/soffice.pyLibreOffice を安全に呼び出す補助
scripts/office/schemas/Office Open XML の XSD スキーマ
LICENSE.txtApache License 2.0

入れ方

必要なものNode.js と npm の docx パッケージ、Python 3、pandoc、LibreOffice(soffice)、Poppler(pdftoppm)

Claude Code(プラグインマーケットプレイスから)

リポジトリの README によると、このリポジトリ自体を Claude Code のプラグインマーケットプレイスとして登録できます。

/plugin marketplace add anthropics/skills
/plugin install document-skills@anthropic-agent-skills

/plugin の画面から「Browse and install plugins」→「anthropic-agent-skills」→「document-skills」→「Install now」と選んでも入ります。document-skills プラグインには、このスキルを含む複数のスキルがまとめて入っています。

document-skills には docx・pdf・pptx・xlsx の4つが入っています。

Claude Code(フォルダを置く)

公式ドキュメントでは、スキルは ~/.claude/skills/<スキル名>/SKILL.md(自分の全プロジェクト)か .claude/skills/<スキル名>/SKILL.md(そのプロジェクトだけ)に置けば使えるとされています。リポジトリのフォルダを付属ファイルごとコピーします。入れたあとは、依頼内容が description に合えば自動で読み込まれるほか、/スキル名 で直接呼び出すこともできます(プラグイン経由のときは /プラグイン名:スキル名 の形)。

Claude(アプリ)と Claude API

README には、このリポジトリのサンプルスキルは Claude.ai の有料プランですでに使える状態になっていると書かれています。自作スキルのアップロード方法はヘルプ記事「Using skills in Claude」に、API での使い方は Skills API のクイックスタートに案内されています。

注意点

  • 外部ツールが必要です。SKILL.md の依存関係は npm の docx、pandoc、LibreOffice(soffice)、Poppler の pdftoppm。docx は「プリインストール済み」と書かれていますが、これは Claude のファイル作成環境を前提にした記述で、手元の環境では自分で入れる必要があります。補助スクリプトには Python も要ります。
  • 扱えるのは .docx / .dotx です。.doc は先に変換が必要で、PDF・表計算・Google ドキュメントは対象外と description に明記されています(PDF や Excel は同じリポジトリの別スキル)。
  • 変更履歴の反映(accept_changes.py や pandoc)では、削除した段落が空段落として残る場合があると SKILL.md 自身が書いています。段落削除は XML で確かめるよう求めています。
  • README には、これらのスキルはデモ・学習用であり、Claude に組み込まれている実際の挙動とは違う場合がある、という但し書きがあります。
  • ライセンスはフォルダ内の LICENSE.txt で Apache License 2.0。README でも文書系スキルは Apache 2.0 のオープンソースと説明されています。

詳しい情報

動く環境
CLI、Web、デスクトップ、API
料金
無料
リポジトリ内の場所
skills/docx
作者
Anthropic
ライセンス
Apache License 2.0
内容を確認した日
2026-11-08

内容はリポジトリの公開内容(2026.11.08時点)にもとづきます。更新されていることがあるため、使う前にリンク先で確かめてください。